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心臓に影響するのはどうして?

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CTEPH(慢性血栓塞栓性肺高血圧症)について

心臓に影響するのはどうして?

肺高血圧症は、肺と心臓の血液の流れが関係します


肺と心臓の関係

私たちの身体は、全身に酸素や栄養素を届けるために、たえず心臓から血液を送り出しています。この全身の血液の流れは、大きく肺循環と体循環の2つに分けられます。肺循環では、全身を巡って酸素が少なくなった血液が、再び酸素を取り込むために、心臓の右心室(うしんしつ)から肺に送られます。この血管を肺動脈(はいどうみゃく)といいます(図1)。

図1 血栓と塞栓

図1 血栓と塞栓

CTEPHが起こる理由

肺動脈や肺の中で徐々に枝分かれしていく細い血管に詰まった血栓が溶けずに残っていると、血管の内部が塞がれたり狭くなり、血液が流れにくくなります。すると、血液を送り出す際に肺動脈にかかる血圧(肺動脈圧(はいどうみゃくあつ))が上昇し、CTEPH(chronic thromboembolic pulmonary hypertension :慢性血栓塞栓性肺高血圧症(まんせいけっせんそくせんせいはいこうけつあつしょう))が起こります。
健康な人(安静時)は肺動脈平均圧が、20mmHgを超えることはありませんが、CTEPHでは、25mmHg以上に上がってしまいます(図2)。この状態が肺高血圧症です。
肺高血圧症は肺循環系に障害をきたすもので、体循環系に関わる高血圧症とは異なります。

図2 CTEPHによる肺動脈圧上昇

図2 CTEPHによる肺動脈圧上昇

肺高血圧症がもたらす心臓への悪影響

肺動脈圧が上昇した状態で、肺に十分な血液を送るためには、心臓の右心室がより強い力で押し出さなければなりません。そのため、右心室の筋肉は厚くなります(右室肥大(うしつひだい))(図3)。

図3 右室肥大

図3 右室肥大

こうした状態が続くと、右心室の収縮力が弱くなり、拡大したままで縮むことができなくなります(右心拡大(うしんかくだい))(図4)。

図4 右心拡大

図4 右心拡大

やがては右心室の機能自体が低下する右心不全(うしんふぜん)に至り、肺に十分な血液を送り出せなくなります(図5)。その結果、全身の酸素不足、血液不足が起こり、様々な症状があらわれます。

図5 右心不全

 図5 右心不全