BPAの実際

In fact

BPAの手技と手順

術前措置
BPA術前に、患者さんに合わせた術前処置を行います。

まず、右心カテーテル検査・肺動脈造影を行い、肺高血圧症の重症度と肺動脈病変の形態評価を行います。経口血管拡張薬が投与されている症例では継続投与をし、右房圧が高く右心不全の徴候があれば、利尿剤の調整を行い、心係数低値(CI 2.2 L/min/mm2以下)であれば、術前のドブタミン投与を検討します。

BPAの手技の実際

アプローチ部位は、右内頚静脈または、大腿静脈です(図3)

図3

治療対象となる病変を決定後、バルーンまたはマイクロカテーテルサポート下にガイドワイヤーで肺動脈病変を通過させます。BPAのガイドワイヤー操作は、PCIやEVTとは大きく異なりますが、特に呼吸変動を調整することが重要であり、上手に利用すれば、ガイドワイヤー通過の助けになります(図4)。

図4

バルーン拡張時は、選択的肺動脈造影からの情報をもとに経験的にバルーンサイズを決定します。特に完全閉塞病変の場合は適切なサイズを決定することが重要であり、適宜、血管内超音波(IVUS)や光干渉断層法(OCT/OFDI)で血管径・病変形態を評価し、病変型に応じて血管径の50~100%程度のサイズのバルーンカテーテルで拡張していきます(図5)。

図5

図3~5は慶應義塾大学病院 医療・健康情報サイトKOMPASから許可を得て転載

術後管理と術後評価

BPAの治療の進展にともない、術後肺障害のほぼ全てがガイドワイヤー、バルーンカテーテル、ガイディングカテーテルなどによる手技関連合併症であることが理解されるようになりました。それらに対し、局所的な止血方法が確立してきたこともあり、当院ではBPAの有効性を保ったまま、重篤な肺障害を最小限に抑えることに成功しています。

術後管理も、以前はBPA後に必ずスワンガンツカテーテルを留置し集中治療室管理とし、また、術後肺障害の有無や程度を確認するために必ずCTを撮影していました。しかし、当院では、現在、スワンガンツカテーテルを留置せず、大部屋で術後管理し、病棟内歩行も可能としています。また、CTについてはよほどの出血が疑われる時以外は撮影しておらず、胸部X線のみ撮影しています。

略語
BPA: balloon pulmonary angioplasty:バルーン肺動脈形成術

References
1)2014年版慢性肺動脈血栓塞栓症に対するballoon pulmonary angioplastyの適応と実施法に関するステートメント
(2011-2013年度合同研究班報告)

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