CTEPH(慢性血栓塞栓性肺高血圧症)以外の肺高血圧症との鑑別

Differentiation from CTEPH

他の肺高血圧症との鑑別には、肺換気-血流シンチグラムが有用

肺高血圧症のスクリーニング後、CTEPH(chronic thromboembolic pulmonary hypertension:慢性血栓塞栓性肺高血圧症)と他の肺高血圧症との鑑別に進みますが、それには、肺換気-血流シンチグラムが有用です。

肺血流シンチグラム(肺血流シンチ)は、侵襲も少なく、繰り返し検査が可能で、慢性肺疾患などの換気障害に伴う血流減少を鑑別する意味でも、診断的価値は高いとされています。

肺血流シンチは、区域以上の血流欠損が特徴

CTEPHの肺血流シンチ所見は、少なくとも区域以上の血流欠損を認めるため、(図1中)
肺血流シンチ所見が正常であれば、CTEPHは除外されます。
また、CTEPHの肺換気シンチ所見は一般に正常です。

一方、肺動脈性肺高血圧症(pulmonary arterial hypertension:PAH)は、肺血流シンチが正常、あるいはmottled liked(小斑点状血流不均一所見)で、区域性欠損を呈さない点が、CTEPHとの鑑別点になります(図1左)。

原因不明の肺高血圧症に対するアプローチとCTEPHの位置付け

日本循環器学会. 肺高血圧症治療ガイドライン(2017年改訂版).
http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2017_fukuda_h.pdf(2018年11月閲覧)

CTEPHの診断基準に示されている肺換気-血流シンチグラム所見

CTEPHの診断基準では、肺換気-血流シンチグラム所見は、以下のように定められています。
・換気分布に異常のない区域性血流分布欠損(segmental defects)が、血栓溶解療法または抗凝固療法施行後も6ヵ月以上不変あるいは不変と推測できる。
・推測の場合には、6ヵ月後に不変の確認が必要。

確定診断には、肺動脈造影などが必要

肺血流シンチグラムで得られる所見は、肺循環障害としての重症度を反映しないこともあります。そのため、手術適応などを決定する際は、肺動脈造影による血栓部位の把握や、右心カテーテル検査による肺循環動態の評価が必要となります。

References
・日本循環器学会. 肺高血圧症治療ガイドライン(2017年改訂版)
・日本循環器学会. 肺血栓塞栓症および深部静脈血栓症の診断,治療,予防に関するガイドライン(2017年改訂版)

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